溶融亜鉛めっきは、コストが高いとの概念があるようですが、塗装等に比べて、短期的な塗り替えなどの必要がなく、経済的なミニマムメンテナンスを実現しています。
溶融亜鉛めっきには、「保護皮膜作用」と「犠牲防食作用」という2つの大きな特徴があります。
亜鉛めっきの表面には、空気や水を通しにくい安定な性質を持つ亜鉛の緻密な酸化皮膜ができます。このため亜鉛の腐食速度は、一般大気中において鉄に比べて非常に遅くなっています。これを保護皮膜作用といいます。
また、めっき加工後皮膜にキズが生じ素地の鉄が露出したとしても、キズの周囲の亜鉛が鉄より先に溶け出す、いわゆるイオン化傾向の差による電気化学的な犠牲防食作用により、鉄の腐食を防ぎます。
これらの作用を併せ持つ溶融亜鉛めっきは、他の防錆法のランニングコストと比較した場合、非常に経済的かつ確実な防錆法といえます。
イオン化傾向
Mg>Al>Zn>Fe>Sn>H>Cu>Ag>Au |
|
●保護皮膜作用 |
|
|
|
●亜鉛皮膜の場合 犠牲防食作用 |
|
|
|
●塗装または錫めっき等の腐食の場合 |
|
|
|